社会運動

原住民の正名運動『私の名前は私の誇り』

投稿日:2016年6月23日 更新日:




この動画は2015年に台湾の桃園市政府によって作成されたものです。台湾では原住民の間で氏名に関する政策が大きく変わってきました。

原住民は戸籍上の氏名を漢人式の名前で登録する人がほとんどです。もちろん、それぞれ自分の民族の名前はありますが、身分証明書で自分の族名を使う人は多くありません。

この動画は原住民としてのアイデンティティを名前を通じて取り戻そうというと呼びかけています。

日本統治時代の台湾では多くの原住民が日本語名に変えさせられていました。映画「セデックバレ」に登場するセデック族のDakis Nomin、Dakis Nawiもそれぞれ花岡一郎、二郎という日本式の名前を名乗っています。

この二人は日本時代の台湾に実在した原住民でアイデンティティを奪われた役として映画の中でも登場しています。

台湾で1953年に制定された「姓名條例」では原住民は必ず自分の族名を捨て、「陳~~」「李~~」という漢字3文字の漢人式の名前で戸籍登録をしなければなりませんでした。

1995年の法改正で原住民は自分の族名を漢字を使った「当て字」で登録できるようになります。2003年にはローマ字の名前も身分証明書に加えられる様になりました。しかし、現在でも漢字の名前は必須となっています。

そして、今年1月に当選した民進党の国会議員、アミ族のKolas Yotaka氏は新たな原住民氏名制度の改革を打ち出しました。今年国会に提出された「姓名條例修正草案」は原住民にローマ字氏名のみの身分証明書を許可する政策です。

なぜローマ字のみの戸籍が重要なのか。漢字、ローマ字の二重表記は漢字名が実質的に使用され、ローマ字は飾りでしかなくなっているのが現状なのです。

漢字の「当て字」は声調や発音の違いから、族名をうまく表現できません。また、全ての文字に意味を持つ漢字は組み合わせによって奇妙な名前になってしまう事もあります。この事から多くの原住民が「当て字」を使いたがりませんでした。

「なぜ原住民も必ず『漢字』の名前が必要なのか?」

「もっと多くの選択肢を与えるべきではないか」

「自分の族名の素晴らしさや美しい音の響きを他の人にも知ってほしい」

この運動の名前は「我的名字,我的驕傲:私の名前は私の誇り」

歴史的に様々な支配を受けてきた原住民は自分自身の名前を自由に使えませんでした。今回の改革は自分の名前を通じてアイデンティティを確立するための重要な運動なのです。

出處:桃園市政府原住民族行政局「原住民族正名」

 




 

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