今年もこの日がやって来ましたよ!
10月10日の中華民国建国記念日
清朝が崩壊して中華民国が建国されるきっかけとなった反乱が1911年10月10日から始まりました。そのため、この日は中華民国(中国)の建国記念日となっています。世界で初めて「中国」という共和制国家が生まれた誕生日なんです。後に中華人民共和国の誕生によって「現在の中国」では共産党による建国記念日10月1日を祝うようになりました。
中国人に祝われなくなった中華民国の誕生日を今でも世界で唯一、国を挙げて祝っているのはどこか?
はい、台湾です
なんで台湾が中国の誕生日をお祝いしないといけないのー?
だって…建物上は中華民国という国だからー!
この建国記念日、もちろんイデオロギーによって見方が大きく異なります。その温度差がもろに出てしまうのが建国記念日のセレモニー、中国国民党の馬英九政権の時はブルーの勢力がテンションマックスで盛り上がります。
それとは対照的に、民進党は台湾独立というイデオロギーが根幹にありますから、支持者の中には「反中華民国」という人も多いです。
「なんで俺らが中華民国(中国)の建国を祝わないといけねぇーんだよ!
ふざけんな!」という声もあるんですよ。
しかし、政治家の立場からすれば「民進党は台湾独立なのでもう中華民国の建国は祝いませーん」とはいかないんですよね。一応、全国民を代表してるわけなので、形式上は必ず開催しないといけないわけです。
去年は民進党政権下で建国記念セレモニーが行われましたが、その中で様々な配慮がなされました。建物上は中華民国の誕生を祝うというものですが、イベントでは台湾独立派の言論の自由を求める運動、原住民と漢民族の和解の歴史、様々なイデオロギーの歴史をかなりプッシュしていました。これは中華民国だけのセレモニーではありませんよ!台湾全体の歴史を祝うセレモニーなんですよという雰囲気ですね。
しかし、ブルーの勢力からすれば去年のセレモニーはめちゃめちゃ大きな不満でした。
おい民進党! お前ら、心の底では中華民国が嫌いなんだろ?
中華民国の誕生日を嫌々祝ってるんだろ?
だったら、こちっちはこっちで本当の中華民国建国セレモニーやってやるよ
という感じでブルーの勢力は別地点でイベントを行っています。私も遊びに行ったんですが、雰囲気が全然違いました。はい…
今年の2017年10月10日に行われるセレモニーにも早速、抗議が起こっています。すでに作成された式典の舞台や看板に「中華民国」という文字がなく、中華民国の国旗も姿を消したと報道されています。ブルーの勢力は一体どこの国の建国セレモニーなんだ!と抗議していますが、当日までどんな内容になるのか詳しく分かっていません。
正直、民進党の多くの政治家は心の底では「中華民国」という国名も、中華民国の国旗もあまり好きじゃない様に思いますね。まぁ、それを公に表明したら「じゃ、なんでお前は中華民国の政治家やってんだ」ってツッコまれますからね。だから、憲法に触れない範囲で「中華民国」という言葉を極力使わない様に工夫しているようです。
建国記念日に関するイデオロギーの対立、実に興味深いですね。
中華民国が建国された時は台湾は日本の一部だったわけで、10月10日を台湾の建国記念日と言われても困るよ!というのが台湾独立派の主張です。
じゃ、台湾の建国記念日にふさわしいのは一体いつなのか?
1996年に民主化が実現して台湾人が初めて自分たちの手でリーダーを選んだ3月23日?
いや、台湾の建国記念日はまだ存在しない!台湾は憲法上はまだ国になってないから、憲法を改正して台湾として独立を宣言した日が台湾の建国記念日じゃないのか?
うーん、どの日を台湾の本当の建国記念日とするかに関しては様々な考えがあります。台湾って面白いですね。
最新情報をお届けします
Twitter で台湾ゲンダイ研究所をフォローしよう!
Follow @TaiwanGendai