台湾は敗戦国?それとも戦勝国?
という質問にあなたはどう答えますか?
第二次世界大戦中、台湾は日本の一部で、台湾人は日本兵として戦っていますから敗戦国の一部だったというのが正解でしょう。
しかし、台湾には戦勝国としての一面もあります。日本が戦っていたお隣の国は中国(中華民国)だったわけですから、中華民国という視点から見れば戦勝国となるわけです。
中華民国と台湾は同一視される事もありますから、戦争に勝った人と負けた人が同じ国の中に一緒に存在しているといってもいいでしょう。
太平洋戦争に関しては…
外省人と本省人
ブルー(藍營)とグリーン(綠營)
で全く相反する歴史観があります。抗日戦争で日本軍と戦った中国国民党は「俺ら日本を倒したんだ!おめでとう」って感じですが、日本兵として戦った台湾人にとっては複雑ですよね。
抗日戦争勝利で浮かれすぎると本省人の複雑な感情を逆なでする事にもなりかねません。ですから、戦争の話をする時ときは慎重に言葉を選ぶことが大切です。
戦勝なのか?敗戦なのか?
台湾ではニュートラルな表現として「終戦」という言葉を使う人が多いです。これは日本も同じですよね。
台湾で何かと論争になるのが
10月25日の「台湾光復節 」です。
そして、戦勝国、中華民国としての台湾が姿を表す記念日でもあります。日本統治が終わってこれからは中華民国が台湾を統治しますよ、やったね!というのを祝う記念日なんです。台湾においての日本の降伏受諾式が行われたのがこの日です。
しかし、「光復」という言葉もまた厄介で、これを快く思わない人が多いんですよね。それは中華民国、中国国民党の台湾統治に反対する人達です。
光復とは台湾が中国(中華民国)に戻って来たという意味なんですが、台湾はもともと中国の一部ではなかったという人達にとっては、
「戻った」という表現はおかしいよという主張があります。
その為、光復節を祝福するのは中華民国、国民党が台湾に来て良かったと感じる人達だけです。中国国民党は毎年支持者たちを集めて、イベントを開催します。それに対してグリーンの勢力はこの記念日に冷ややかな態度を取っています。この記念日の面白いところは敗戦国と戦勝国、両者の態度をわかりやすく映し出す点です。
でも… 正直に言うと、この記念日そんなに重要視されていません。祝日でもなんでもないので、普通の台湾人にとってはどうでもいい日なんです。若い人で10月25日が何の日か答えられたら、大したもんですよ。台湾の友達がいれば是非試してみて下さい。
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