ここ数日、台湾出身の学生が中国共産党に入党申請をしたというニュースが話題になっています。
注目を集めたのは現在、北京大学博士課程に在学する
「王裕慶」
この人、めちゃくちゃ変わった人で中国共産党万歳!って感じのバリバリの赤の人です。その彼が今、レッドカードでアウトになりそうなんです。
中国共産党に入るには中華人民共和国の戸籍が必要ですが、台湾の法律では中華人民共和国に籍を入れた時点で、台湾の中華民国国籍は効力を失うと規定されています。
現在、台湾の中華民国国籍を持つ彼が主張するのは
「中国共産党入党で台湾の戸籍が剥奪されるのはおかしい」
ということ
この発言に対してネットでは大炎上、
「中国共産党に寝返った奴は台湾に帰ってくるな」
「共産党に入るのはお前の自由だが、中国か台湾どちらか選ぶのは当たり前だろ」
という感じの批判が出てきました。
まぁ、正論ですね。
台湾生まれで子供の頃から中国人としての愛国心を両親に教えられて育ったそうです。15歳の時にカナダに移住しカナダ国籍を取得、20年間もカナダに住んでいたらしいです。
中国人としての愛国心をカナダで発揮してたんですねかね。
でも、まぁ、中国共産党の幹部の家族もみんなカナダ国籍持ってますから、彼らと同じぐらい愛国的だと言えると思います。
中国のテレビ番組も彼を出演させて政治的プロパガンダに使ってました。
彼が言うには、
中国特有の社会主義は西洋の国々よりも進んだシステム
らしいです
あぁ、でも中国共産党が大切にしてるマルクス主義とレーニン主義は西洋から来たとか来てないとか。まぁ、いろいろ説はありますね。
15歳までしか台湾に住んでいなかったにも関わらず「台湾はポピュリズムの民主主義だ」と一丁前に言ってます。
この人以外にも、既に中国共産党に入り台湾代表を務めている台湾人がいます。少し前にメディアが一斉に取り上げた
「盧麗安」
前回の中国共産党党大会に唯一の台湾出身者として参加しています。もちろん、台湾での中華民国国籍は既に無効になっていますから、今は中国人ですね。党大会での記者会見では「台湾も祖国中国も両方愛している」と話していました。まぁ、要するに、中国万歳、中国共産党万歳の人です。
この人、生まれも育ちも高雄なんですけど、お爺さんがめちゃくちゃ面白い人なんですよ。「盧老枝」という日本統治時代の有名な台湾人で京都大学を卒業したエリートです。
太平洋戦争の時に軍事パレードで戦車から落ちた日の丸国旗をこの盧さんが戦車の下に行って救出し大歓声が起こったらしいです。この様子は当時の新聞も大きく取り上げられ、なんと小学生の教科書にも載せられたらしいですよ。天皇が台湾を訪問した際には表彰もされてる人なんです。
大日本帝国の模倣的台湾人の孫が今や中国共産党の台湾省代表ですよ。
時代の変化って恐ろしいですね…
多くのメディアが指摘しているのは彼女は中国共産党に入ってからほんの2年しか経っていないのにも関わらず、中国共産党台湾省代表という重役に異例のスピード出世したとことです。現在の共産党は台湾人を中国人よりも優遇する事で、模範的な中国台湾人を演出したいようです。
中国共産党にはこれまで所謂台湾代表がいましたが、彼らは台湾出身の両親を持つだけで、台湾出身者ではありませんでした。現在、中国共産党に必要なのは台湾で生まれ育った台湾人!これからはこういう人達は徐々に増えていくでしょうね。
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