皆さんは
中正路
という通りを聞いたことがありますか?
台湾に来るとわかると思うんですが、「中正」って名前が付けられた「通り」がめちゃくちゃ多いんですよね。
「中正」って何の事か知ってます?
かつての独裁者、蒋介石のもう1つの名前、「蒋中正」の事です。国民党が台湾に来てから、蒋介石は自分の名前を至る所につけまくったんですよ。まぁ、独裁者の典型的な考え方ですよね。国民に自分を崇拝させるために、神格化をするわけです。台湾各地に銅像を作って、通りや学校の名前を自分の名前に変更しました。
現在のところ、台湾全国に
「中正路」という通りは181箇所もあるんですよ。
全権力を掌握した蒋介石は学校や公共施設も自分の名前に変更させました。
全国に中正國小(中正小学校)は18箇所
中正國中(中正中学校)7箇所
中正高中(中正高校)は4箇所
大学に関しては中正大学と中正理工大学があります。
中山公園という場所は全国に13箇所もあります。
中正…中正…中正…
どこもかしこも独裁者の名前です。あまりにも多すぎますよね。 蒋介石って皆さんはどんなイメージを持っていますか?私は元々、世界史の教科書程度の知識しかなかったんですけど、台湾に来てからは結構、考えが変わりましたね。 アメリカの政治学者RJランメルが作成した「20世紀の独裁者、虐殺者数ランキング」では、スターリン、毛沢東、ヒトラーに続き第4位にランクインしています。中国大陸では中国人を、台湾に来てからは多くの台湾市民を拷問、監禁、処刑した事で知られています。 虐殺を主導した独裁者の名前が台湾のあちこちで使われてるってどういう事って思いますよね?ジョウンイル小学校とかカダフィー大学とかヒトラー公園が色んなとこにあるみたいな感じです。228事件や独裁時代の犠牲者遺族にとっては、非常に受け入れがたいですよね。 この様なことから、近年台湾では独裁者蒋介石に関する名前を変更しようという運動が大きくなっています。名前はもちろん、銅像や肖像画などを撤去しましょうという声もすげー多いです。 この様な動きは「去蔣化」と呼ばれているんですけど、まぁ国民党の人達は頑張って反対してますね。一般市民の中にも、国民党独裁時代の教育で洗脳されて、未だに蒋介石を崇拝してる人がいるんです。まぁ、洗脳されたくて洗脳されたわけじゃないんで、そういう人たちを悪く思わないでくださいね… 蒋介石は台湾に来てから、自分の名前以外にも、多くの場所を中国の地名に変えています。1947年に始まった政策で、日本統治時代の影響を消し去り、中国色に染めたんですね。日本と関係のある地名や通りはほとんどが改名されました。現在のところ、台湾全国の181箇所の通りに中国の地名が採用されています。 例えば、天津街、広州街、吉林路、南京路、あとは山東、雲南、重慶、湖南、四川という様な通りがゴロゴロあります。ここは一体中国なのか台湾なのかわからなくなる時がありますよね。
もっとウケるのが
台北には西藏路(チベット通り)
高雄には新疆路(ウイグル通り)
って名前の場所があるんですよ。
台湾だけで中国全土を制覇できますね。でも、不思議なことにモンゴル通りって言うのはないんですよね。蒋介石は心の底ではモンゴル侵略を諦めてたって事なんですかね。 台湾で採用された中で一番多い中国の地名は浙江省で20箇所もあるんですけど、何で浙江省なのか知ってますか? 蒋介石は浙江省出身だったからなんです。 中国共産党に中国大陸を占領されちゃったんで、ノスタルジーで台湾にも中国の名前をつけまくれっことだったんです。台湾人からしたら勝手にそんな事されてマジで焦りますよね。 個人的にすごいなと思うのが、台北地下鉄の駅にもなってる「南京復興」ですかね。どうにかして復興したいという気迫が伝わって来ます。蒋介石は中国を奪われた悔しさを地名を変えることで発散したかったようです。
南京復興できなくて残念でしたね…
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