政治

「台湾政府の言論弾圧を非難する」中国メディアのブーメラン発言が炸裂

投稿日:2017年12月23日 更新日:




今日は前回に引き続き台湾「新党」の党員が中国共産党に情報漏洩の疑いで身柄拘束のその後についてお話しします。党員の身柄拘束後、非常におもしろい事になっています。

新党と中国国民党は党を挙げて「これは民進党による政治迫害だ」と宣伝しまくっていて、次の選挙に向けてネガティブキャンペーンが既に始まっているんですよね。では「新党」の親分である中国共産党は今回の事件にどのような反応を示したのかご紹介します。

中国共産党の機関「国台弁」は12月19日に早速こんな声明を出しています。

我々は今回の件を非常に注視している。周知のように「新党」は一貫して【1つの中国原則】を堅持し、台湾独立に反対してきた。中台の平和統一と発展を積極的に主張してきた事を我々は賞賛している。ある時から、台湾当局は台湾独立分子の肩を持ち放置するようになり、平和統一を訴える者達を恣意的に迫害し始めた。我々はこの事を厳しく非難し、今後の展開を注視していく。

国台弁報道官  安峰山 2017年12月19日 人民網

まぁ、要約すると「うちの子に何すんだ」という事ですね。今回の一件ではっきりしたのは「新党」は正式に中国共産党のお墨付きをもらった政党であるという事です。他の組織をここまでかばうって事はもう明らかでしょう。

中国共産党は台湾で勢力を拡大するために色んな手そ使ってるんですが、一番役に立ちそうな組織が今のところ新党なんですよね。中国国民党も一応は友達なんですけど、言うことを聞くとは限らないですからね。

最近は中国メディアの発狂ぶりがすごくて私も毎日が楽しいです。彼らの反応を一部抜粋してお伝えします。中国共産党機関紙「環球時報」が12月19日の社説に載せたタイトルがものごっついんですよね。

「大陆应制裁、通缉一批死硬“台独”分子」

(中国は頑なな台湾独立分子に対して指名手配の制裁を行うべきである)

朝日新聞の社説もこれぐらいのパンチ力欲しいですよね。では内容を見てみましょう。

中国本土や台湾島内で両岸統一を宣伝する事は国の法律違反ではないにも関わらず、台湾当局は彼らを捕まえ、言論の自由をひどく侵害した。台湾独立分子は法律を無視しており、国家分裂で自分達が払わなければならない代償の意識が全くない。中国政府が行動を起こし台湾独立分子に畏敬(いけい)の心を植えつければ、今後騒動が起こった時にはおとなしくなるであろう。台湾独立分子の極悪非道な者に対しては指名手配を行い最終的には法に照らして処罰すべきである。民進党が政権を取ってから台湾独立勢力が狂気に満ちてきた。今こそ彼らを懲らしめ、苦い教訓を与えるべきである。

環球時報 社説2017年12月19日

中国政府も「言論の自由」という言葉を最近、新しく憶えたみたいですね。要約すると「一発やってやらないとわかんないみたいだな」という事ですね。全体的に言葉のバリエーションが赤旗とかより豊かな気がします。

 




次の日、12月20日の環球時報の社説タイトルがこれまたすごいんですよ。

「该是“台独”势力听到丧钟的时候了」

(今こそ台湾独立勢力に弔鐘を聞かせる時だ)

「台湾独立の奴らに葬式を用意してやる」そんな感じのニュアンスですかね。これ見たあとやっぱりすごいなぁって思いますよね。北朝鮮の「火の海にしてやる」っていうワードセンスには誰も勝てないですよ。

多くの違った政治的立場を持つ人々が民進党の乱暴で非合法な行為に脅かされている。民進党は既に台湾独立の理念に取り憑かれ、基本的な判断力を失った。これらからは台湾島内の独立派を的確に攻撃し、独立派内部でパニックと分裂を起こし長期的に有効な威嚇を形成するべきである。中国の司法機関は彼らに対して刑事追求と国際手配を行い、中国へと連行し審判を行うべきである。

環球時報  社説  2017年12月20日

皆さん楽しんで頂けましたでしょうか?

台湾独立派の中で内部分裂を起こす作戦、流石です。中国共産党は内部分裂を何回も経験してるプロ集団ですから、分裂のメカニズムにはかなり精通しているでしょう。

あと、国際手配までするらしいんですよね。中国版インターポールみたいなやつをこれから世界各地に配置していくんですかね。期待しましょう。

「違った政治立場の人を迫害している」だとか

「言論の自由を侵害している」などなど

今回の件で中国メディアのブーメラン発言が炸裂しまくってましたよね。ブーメラン発言は台湾でも話題になっています。ネタで言ってるのなのら絶対にいじってあげたほうがいいと思うので私も今回紹介しました。

台湾の人権活動家、李明哲が中国で拘束された時に全く言葉を発することがなかった「新党」のメンバーが今回の件で「人権!人権!」と言い出したのがもっと皮肉でしたね。

中国国民党も最近叩かれっぱなしだったので、ここぞとばかりに党を挙げて民進党を吊るし上げてます。そんな事しても選挙で票は増えないと思いますけど。

馬英九に至っては

「民進党政権によるファシズムが再来した」

なんて寝言を言っていました。

起訴される一方手前まできているので、最後の悪あがきなのかもしれません。今回の騒動では普段見られない政党の一面が見られましたね。被害者ヅラをする新党、ブーメランを飛ばす中国共産党、票集めに必死になる中国国民党、みんなで人権の大切さを認識する素晴らしい事案になったと思います。




 

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